ハッピー・ライフ・ダイアリー

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春日神霊の旅@神奈川県立金沢文庫

思い立って、金沢文庫まで遠出。予想以上の立派な建物、隣接する称名寺の広々とした池と朱塗りの端のコントラストの美しさと、まずは環境に満足。
展示も、予想以上によい。杉本博司らしく、全体的な光は抑え目の中に、展示物が浮かぶ演出。春日大社本地垂迹にまつわる信仰の理解が深まる一方、仏像の美しさに「やりすぎのひだ」だけど、光背・冠の装飾、鋭く細かく刻まれた顔立ちの美しい弥勒菩薩に目を奪われた。春日権現記絵はいつののごとく美しく、可愛く、春日曼荼羅もバリエーションが豊富なことを実感。因みに、春日大社の本地物は不空羂索観音薬師如来地蔵菩薩・十一面観音+若宮の文殊菩薩

春日卓は実物を細部まで見たが、美しい。茶人が好んだ理由もよくわかる。
春日鹿曼荼羅にならい、鹿の象に鏡・仏像を後補したり、自作の光学ガラスの五輪塔を組み合わせて展示する杉本氏の発想もユニーク。古美術の新しい扱い方を学ぶ。
遠征したかいのある、展覧会であった。