ハッピー・ライフ・ダイアリー

茶道・歌舞伎・江戸絵画など・・

本阿弥光悦の大宇宙

圧巻は「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」。圧倒的に宗達の鶴の絵が素晴らしい。水辺を飛び立ち、途中で視点が変わり、大空を飛ぶ鶴をとらえ、最後は対岸に着地して立つ鶴たち。動き、バランス、視点が2回変わるにも関わらず絵巻として破綻していない。そこに歌を書きこむ光悦のプレッシャーも半端なかったであろう。鶴が混みあっているところは太い字を中心に文字も詰め込み、余白の部分は細い字でちらして文字を入れる。でも、抜けた歌があったり(途中で2句書き込み)、最後は大きな文字になったり。それでも、やっぱり踊るような文字たちは美しく光悦の自由さが窺えた。
茶碗は、乙御前、弁財天(筒)、紙屋(斑模様)、白狐(白い環入り多い)、加賀、雨雲(斜めの線)、時雨(雨雲に形はにるが白っぽい)、村雲(雨雲より形にぬけがあり)。どこまでが、作為で、どこまでが自然の変化なのか?かっちりした形のものもある中で、丸い形に作為したものの、窯での変化を楽しんでいるようにも見える。
その他、多数の光悦の書状、光悦蒔絵(と言われるもの・・)、謡本など。