ハッピー・ライフ・ダイアリー

茶道・歌舞伎・江戸絵画など・・

青山会茶会@根津美術館

今回は正伝有楽流のお席。
席入りして目をひいたのは、上段となった書院に飾られた白菊。
菊の花だけが畳の上に整然と並べられていてインスタレーションのよう。
そして、点前が始まる・・「ご免仕りまする」の一言で上段に飾られた茶入れと茶杓を半東が下げるところから。
袱紗は右腰に、挨拶はゲンコツをついてと、武家茶道らしい振る舞いを眺めていると、笛・・そして、「ポン」と鼓の音。

白髪を後ろで束ねた男性席主のご説明によると、今日は大名家を招いた茶会という設え。
上段に飾られた菊は大名家を表しているとのこと。
有楽は茶席で琵琶をひいたという記録もあることから、笛と鼓を取り入れたとか・・。

自由だ〜。さすが、有楽の流派!

大名の席といいながら、千家茶道の流儀の客を意識したのか、江しんの「サイン」(席主曰くww)のあるルソンの手瓶の茶入など千家の侘びた道具も取り入れた設え。その他、宗拙の茶杓、朽木綱貞作の「旅衣」も有楽作の尺八花入れも侘びたもの。
茶碗は仁清の桐の絵。柔らかな白地で高台は浅く大きめ。仁清にしては珍しい作り。

軸は玉室の「多岐而亡羊」 学問は本筋・王道を学ばなくてはならないという意味。三宅亡羊に求められて書いたとのこと。
すっきりした読みやすい文字。
展観席では紅葉呉器。見た目より重みがあり、重心は低めな印象。
備前火襷の水指、瀬戸「鳴海」茶入れも見どころおおし。
有楽の息子道八作の茶杓は大ぶりの笹の葉風。