ハッピー・ライフ・ダイアリー

茶道・歌舞伎・江戸絵画など・・

新春浅草歌舞伎 第一部

新春浅草歌舞伎 第一部
【義賢最期】
3度目。自分の目が慣れたからか、舞台が洗練されたからか、気持ちが最初からたるむことなく舞台が進む。
吉弥さんは、何をやっても固い。葵の上の姫姿も違和感なし。壱太郎も、器量もよく、そして強く、気も働く小万を熱演。そして、何よりも愛之助。眼力が強くなり、息も絶え絶えのところから、はっと力が入るところのメリハリが効いて殺陣が話として効果的に進む。
金丸座は飛び出す迫力、新橋演舞場では、広い舞台で大きな演技と観ていたが、浅草の舞台は、この立ち回りに丁度よいサイズではないかと・・。舞台の広がりも、演技の大きさも、飛び出しそうで、はみでそうで、はみ出ないし、余白もない、まさにピッタリ。

【上州土産百両首】
亀治郎の会に続いて二度目。
泣いた。涙がこぼれた。こんなにいい話だったけ・・?
猿之助がうまいのは知ってた。でも、巳之助がこんなに、泣かせる役者とは思わなかった。
「うまさ」を感じさせない、自然に「ドジ」な「あじゃがじ」を演じてる。前回、福士君が演じた際には、かすかに「鼻につく」演技臭さがあったのに、それを感じさせない。
巳之助は、歌舞伎よりもこういう舞台があうのかもしれない・・・。
男女蔵の余一がもう一つ。ただの、人のいいおっさんになってしまっていて、兄貴分の凄味が感じられない。
亀鶴は、最近、こういう小悪人が嵌ってる。捨て台詞とか、「本当にやるきなさそう」でうまい。
いやぁ、いい話です。