ハッピー・ライフ・ダイアリー

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歌舞伎座七月大歌舞伎

なかなか自分のスケジュールを決められず、ギリギリにチケットを取ろうとしたら、大人気なんですね。
結局、1等しかあいておらず奮発した割りには、2階の端の見づらい席(2等との境目みたいなところ)で残念でした・・。

さて、席はさておき、七月の歌舞伎座玉三郎海老蔵澤瀉屋という組み合わせで、泉鏡花の4作品を演じるというもの。

夜の部の最初は「山吹」。
劇向きではない・・ということで、近年になってから何度か演じられただけという作品。
あらすじとしては、嫁ぎ先でのいじめなどから生きることに希望を見出せず、結局現世のしがらみを捨てて、「美しい女性に折檻されて自分の罪を流したい・・」という希望を持った年老いた人形遣いと暮らすという倒錯した世界に踏み込む美しい女性の物語。

一つ間違えば安っぽい「SM」っぽい話になりそうな感じですが、笑三郎が美しい人妻を上品に演じて、きれいな作品でした。

最後に一人残された島津が現世のしがらみを断ち切った二人を恨めしく思いながら「だめだ、仕事がある」と言うところに、現代のサラリーマンに通じる悲哀がありますね。(私も、仕事があるから・・と言って、やらないことたくさんあるし)
そうは言っても、明るく楽しいお芝居ではなかったし、現代の台詞劇ですので、わざわざ歌舞伎座女形を使ってやる必要があるのかは疑問。

続いては「天守物語」。ストーリーも役者さんも皆さん美しくウットリ。私もお姫様気分になりました。
玉三郎さんはもちろん、亀姫の春猿も豪華な衣装をまとい美しく、残酷な会話、ちょっとレズビアンを彷彿させる演技が妖しい世界をかもし出していてウットリ
そして、海老蔵さんの図書之助がまた美しくウットリ。爽やか好青年で、玉三郎の富姫と見つめあうと、絵本のお姫様と王子様のようでまたまたウットリ。
個人的には海老蔵さんは歌舞伎十八番系の勇ましい役を演じる方が好きですが、
貴公子役は更なる適任は思い浮かびませんね!

私も天守に住みたい・・。