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孤篷庵特別拝観

孤篷庵特別拝観
小堀遠州が建て、火災消失後、不昧が再建。庭園は琵琶湖の風景を表したものとか。
本堂前の庭は石庭ではなく土だけの庭。土の部分は湖面を、手前の背の低い植え込みと奥の寄せ植え込みは波を表すとか。奥の寄せ植え込みは二重になっており、間に松の木。寄せ石灯籠に背の低い檜の植え込みが見られるという独創的な庭。
隣の部屋から見る眺めは、船からの景色。低い欄干、御簾で上半分を隠し、腰かけて眺める。石で船が通った跡を表し、灯籠が見られる。
 
続いての部屋が忘筌席。
荘子の「魚を得て筌を忘る。兎を得て蹄を忘る。」という言葉より。西縁側に舟入板の間を取り、障子を半分降ろし、下が吹き抜けになった様子が写真にもよく撮られ有名だが、これは点前座から見られる風景。部屋の壁は漆喰で白く、障子の下から入り込み、舟入板に反射した西陽は点前座に当たる。レフ板で光を集めたような形で、亭主にスポットライトが当たる。つまり客は逆光で亭主から顔が見えないことになる。点前座に座れば、ちん潜り越しに床の間の横壁に描かれた月が見えるなど、客よりも亭主が楽しめる席になっている。
小堀遠州・・・恐るべし・・・。
 
この他、直入軒は華灯窓と探幽が描いたという床がある明るい座敷。松花堂昭乗が描いた天袋の猿の絵がかわいい。前の庭は、近江八景を表したもの。また、山雲床は四畳半台目で、密庵を範としているにじり口はなく貴人口のみ。障子のさんが二重になっているなど、遠州らしい洒落た作り。布泉の手水鉢はサイフォン式で中から水が湧き出るようになっているとか。